今回は、アニメ「キングダム」第5シリーズで描かれる黒羊丘の戦いについて、ネタバレと桓騎の戦術を史実を基に解説してみたいと思います。
特に、秦(しん)軍の将軍・桓騎の戦術に注目して、彼の天才性と残虐性を探っていきましょう。
黒羊丘の戦いとは、紀元前234年に秦(しん)と趙(ちょう)の間で起きた戦争です。
秦(しん)は中華統一に向けて、魏(ぎ)から山陽地方を奪取した後、趙(ちょう)の天然要塞・黒羊丘(こくようきゅう)を攻略しようとしました。
しかし、趙(ちょう)は元三大天の廉頗(れんぱ)を招聘(しょうへい)して、総勢50万の合従(がっしょう)軍を結成。
秦(しん)軍20万と合従(がっしょう)軍50万の壮絶な攻防戦が、函谷関(かんこくかん)から黒羊丘(こくようきゅう)まで繰り広げられました。
映画版の「黒羊丘の戦い」はまだ制作されていませんが、アニメ放送は2024年1月13日~3月31日で終了しており、今のところ再放送の予定はありません。
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それでは、ここから桓騎の戦術を史実を基に解説していきたいと思います!
Contents
キングダム黒羊丘の戦いネタバレ!
秦は趙を滅ぼすため、黒羊丘を狙います。
当初は楚に侵攻する計画でしたが、情勢の変化で趙へと方針を転換。
飛信隊も作戦に参加します。
黒羊丘の戦いは単行本41巻から45巻に展開され、桓騎軍の千人将オギコが飛信隊に接触し、桓騎の存在を伝えます。
桓騎は元山賊の頭目で、六将に匹敵する名声を持ちます。
対する趙軍の総大将は李牧の弟子である若き天才・慶舎。
桓騎と慶舎は黒羊丘で激突し、その戦いは中華全土が見守る壮絶なものとなります。
キングダム41巻の感想
一番驚いたのは、飛信隊が桓騎軍と手を組むことでした!
全く予想していなかった組み合わせだったので、読んでいて思わず「えっ!」と声が出てしまいました。
合従軍編での桓騎は確かに超絶カッコよかったのですが、白亀西の殺し方や目玉袋、人林作製などの悪行が強烈すぎて、まだ記憶に新しいです。
何せ異名が「首斬り桓騎」ですから、敵が投降してこようが皆殺しなのです。
一方、信は三百将時代に、侵略した地の村人を陵辱・虐殺する乱銅千人将のやり方に激昂し、あやうく斬り殺しかけたことがありました。
飛信隊の仲間は誰も信の行動を責めず、その行動に感心していたカクビ千人将の元部下・楚水たちも現在飛信隊にいます。
そんな青臭くも真っ直ぐに筋を通す信だからこそ、飛信隊はまとまっていられるのです。
その信と真逆の桓騎を組ませることで、原先生はどう描こうとしているのか…。
今、そこに来たか!という感じで、何だかひやひやしてしまいました。
戦争を描くだけに避けられない部分でありつつ、取り扱いが難しいテーマです。
信と桓騎の不協和音
以前から信が桓騎に抱いているイメージは「クソヤロォ」そのもの(19巻より)。
侵略地の住民の扱いに関しては、どう考えても相容れないでしょう。
桓騎は論功行賞で2回信を見ていますが、信の印象について言及したシーンはこれまでありませんでした。
蕞(サイ)戦後の論功行賞で信が出た時、桓騎は「確か前も…」と信を意識している様子でした。
いざ組むにあたり調べてみたら、「青臭ェ戦り方やってるっつー話だけはがっかりだ」と感じたのが本音だったのでしょう。
桓騎軍の部下たちの意味深な「・・・」や黒桜さんの「クスッ」が示すのは、飛信隊が失敗するのを予見しているかのような、期待していない空気です。
「てめーらがどんだけお子ちゃまか教えてやんよ!」という桓騎軍の上から目線(実際に実力も上ですが)を感じます。
あえて古参組を選んで尾平たちを連れて行った意図も気になります。
桓騎が飛信隊をどうコントロールしようとしているのか、ハラハラします。
しかし、桓騎本人の本意はまだ分かりません。
信の力量を測っているような、試しているような感じもしますが、下僕下僕と煽りすぎているのも気になります。
信を認めているのか、いないのか…。
客観的に見ても、桓騎と信ではまだまだ大人と子供ほどのオーラ差があるのは否めません。
そして飛信隊は痛恨のミスを犯します。まさか貂まで敵の策に踊らされるとは…。
対する敵軍の紀彗将軍は、実力者であり人格者。
この桓騎との対比が後ほどどう展開されるのか。
そしてラストの尾平&慶!なんと総大将・慶舎がいきなり目の前に!
「黒羊では、相手を翻弄した方が勝つ」と紀彗将軍が言っていましたが、それなら桓騎も得意とするところでしょう。
しかし、この先、集落の存在や飛信隊の持つ性質が絡み合い、それが戦に影響してさまざまな問題が勃発してくるのではないでしょうか。
キングダム42巻の感想
黒羊丘戦が思った以上に長引きそうな予感がしますが、いろいろと熱いものがこみあげてきて泣けました。
まず、前巻で慶舎と遭遇した尾平ですが、持ち前の運と生命力で無事に生き延びました。
慶舎直々の一撃をまともに受けてしのぐなんて、尾平すごいじゃないか!
その後、馬にはねられてうまいこと窪みに飛ばされ、九死に一生を得ます。
そして、隊を分断され退却せざるを得ない状況に追い込まれた桓騎軍の雷土たちですが、初日の終わりには中央丘の趙軍の築城を止める仕事をやり遂げ、己らの失敗の後始末をつけるところが流石です。
ゼノウが隣にいると、おっかない雷土さんが頼り甲斐のある上司に見えてきます。
初日に失敗した飛信隊。桓騎からの伝令で、初日の失敗の責任として右腕を切り落とすように言われますが、信は「最後に勝ちゃあいいんだろうが!」と開き直って伝令を追い返します。
さらに桓騎に伝えろと言って、「最後はこの俺が敵将 慶舎の首をとって黒羊の戦いを勝利に導いてやるってなァ!!」と啖呵を切ります。
この時の馬印と那貴の表情、そしてコマに軽くフラッシュが入っているのがイイですね。
信が本気でそう思っていること、そしてそれを実現するかもしれないと思わせること。
2人の表情に信の熱意が響いたような印象を受けます。
大分さかのぼりますが、対魏・廉頗戦の前、信が急造千人将になった時に初めて千人もの部下の前で就任の挨拶をしました。
その時、「信の声は不思議とよく通った。聞き手には信の声を通してその情熱がひしひしと伝わっていた」という描写がありました。
まさに、そんな感じだったんでしょうね。
羌瘣VS劉冬
斥候に出たまま戻らない羌瘣が、なんと一人で趙将の暗殺に向かおうとしています!
10数騎しかついてきていない仲間たち。
若者兵たちは羌瘣の美貌に気を取られながらも平常心を保とうとしていますが、その様子が微笑ましいです。
一方、ミドルエイジっぽい孫仁さんは冷静かつ必死で羌瘣を説得しようとします。
「こんな無茶は信だって望んでないし、何でここまでやろうとするんだ」と羌瘣を諌める孫仁さん。
しかし、羌瘣は「万の軍の敵将の首を、味方の犠牲無しで討てる好機が今ある」と言い、「飛信隊のために無茶をやるんだ」と微笑みます。
羌瘣の決意と覚悟、そして飛信隊への想いを前にして、仲間たちももう見守るしかありません。
このシーンは何だか泣けてきました。
超絶剣技と軍師並の頭脳を持つ羌瘣ですが、ふわふわと天然な一面もあり、胸の奥には熱い想いを秘めています。
仲間を常に思いやり、その熱い想いに本人は気づいていないかもしれません。
今回のことも、孫仁さんに問われて初めて「自分の行動の意味」を考えたような表情をしていました。
仲間を失いたくない気持ち、飛信隊のために力になりたい気持ち。
この子が象姉を失ってから仇の幽連を討つまでの道程と心の変化を思い返すと、仲間たちに向けた優しい笑顔に涙が出てきました。
そして向かった夜襲の相手は趙将の一人、劉冬。
第452話では、ほぼ丸々劉冬と羌瘣のやり取りが描かれていましたが、ビジュアル的に美しすぎたのは気のせいでしょうか?笑
劉冬は原先生がデザイン的に気に入っているキャラ(ガイドブック参照)のようで、羌瘣とのビジュアルバランスが非常に良かったです。
しかし、劉冬はかわいい羌瘣ちゃんに容赦なく2太刀も入れました!
寝所に糸を張るなんて、地味…いや、抜け目ない奴!羌瘣も劉冬に2太刀入れましたが、剣の入り方が明らかに羌瘣のほうが重傷…。
しかも高いところから転落してしまいました。まさかの暗殺失敗…はわわ。
劉冬は劉冬で、何か抱えるものがありそうです。
「黒羊の先」とは、離眼の城のことでしょうか。
劉冬なりの「命を賭して守るべきもの」が何なのかも気になります。
羌瘣もそこに少し興味を持っているようです。
キングダム43巻の感想
うぉぉー!!
久々に信の檄が炸裂し、胸が熱くなりますね!まずは羌瘣の負傷編からいきましょう。
利口な愛馬のおかげで、重傷を負った羌瘣は、戦が始まる前に退避を忠告しに行った村の長に助けられていました。
危険を冒して一人で敵地に向かい、意識を失うほどの傷を負いながらも飛信隊に戻ろうとする羌瘣の姿が健気すぎて感動します。
村長のお婆さんは、敵国ながらも退避を忠告しに来た羌瘣を「悪い娘ではない」と判断し、最善の手当てをしてくれました。
そして、紀彗たちの過去についても話してくれました。
紀彗たちの過去が明らかになり、離眼の兵たちの絆と紀彗の慕われる理由がわかりましたね。
先代の紀昌は、どことなく蒙驁将軍を彷彿とさせるたたずまいでした。
過去に離眼の城が落ち、紀彗の親世代の男たちは全て殺されてしまいました。
紀彗は20歳そこそこで離眼の城主となり、火刑で親を失った城下のすべての子どもたちの親となりました。
時が経ち、紀彗は一帯をまとめあげ、善政を敷いて次の世代の子どもたちにも慕われる城主となっています。
馬呈と劉冬は、紀彗とともに血の涙を流しながらここまで離眼を立て直してきたのでしょう。
劉冬が「すがるものではなく、奮わせるもの」と称した3体の守り子の像は、戦前に3人が紀昌に贈ったもので、火刑になる直前に「門出」の想いを託して劉冬らに返されたものでした。
それを思うと、42巻で劉冬が守り子の像に祈っていた姿に胸が痛みます。
紀彗の強さが趙に広まっていない理由としては、「離眼の悲劇」から15年ほど経過していること。
8年ほどで一帯を統治している紀彗の実績を考えると、なぜ大物との噂が広まらなかったのか疑問に思うところもありますが、この時代は名を通すのにも代々継がれてきた名家であることが重要だったのでしょう。
早くに先代を失ってしまったことで、そういった手はずが整わなかったのかもしれません。
そう考えると、政という最強のコネクションを持つとはいえ、己の力でのし上がる信は本当にすごいですね。
火刑が執行される際、邯鄲から派遣されてきた裁可をくだす役割の朝廷メンバーの中に李牧がいました。
この時に李牧は紀彗の人となりを認識したようです。(李牧、15年前から見た目全く変わってない。笑)
過去の悲劇を踏まえつつ、今回の戦で李牧は紀彗を慶舎の片腕に指名していたのですね。
敵ながら、3人の絆と想いの深さに複雑な気持ちになります。
ちなみに、村長のお婆さんに対する羌瘣の態度は、弱っているからか、どことなく柔らかいですね。
羌族の里のバアや明、識、礼と話している時のような、歳相応の女の子の口調になっています。
桓騎VS慶舎
さて、黒羊丘の戦いですが、羌瘣が伏せっている間に劉冬は傷を押して3日目から前線に復帰しました。
劉冬不在の間に渡河の戦いを制した飛信隊は、その勢いのまま中央丘まで進軍!
貂の作戦が見事にハマり、田有や竜川、沛浪や去亥ら飛信隊の百人将たちは連勝続きで大喜びです。(久しぶりに澤さんも登場!まだ生きてた!笑)
桓騎軍の黒桜さんも準備を整え、あとは桓騎の指示を待つのみ。
秦軍に有利な戦局の中、満を持して桓騎の指示を待つ状況で、オギコを呼んでどんな展開が?と思いきや…
いつもの肩もみ!笑
自軍も敵軍も予想外すぎる桓騎の完全スルーに、慶舎は目を血走らせ、貂は驚愕の表情。一同騒然です。
そんな中、桓騎軍から飛信隊に送り込まれた那貴は冷静に「この日動かなかったことに対する大きな見返り」があるはずだと分析していました。
そして4日目。しびれを切らした慶舎が丘を下り、飛信隊を狙ってきますが、これこそが桓騎の狙いでした。
「沈黙の狩人」と称される慶舎は、どの戦いでも敵を罠にかけて勝利してきましたが、今回は桓騎の罠にまんまと嵌まります。
桓騎は「そういう奴に限って最後は俺の手の平の上で踊って大グソ漏らすって話だろ?」と妖しく笑い、慶舎をザコ呼ばわり。見事に知略で慶舎を出し抜きましたね!
慶舎VS信
一方、飛信隊は桓騎の囮にされ、屈強な慶舎兵に大苦戦。
信は”李牧に名指しされた標的”という名誉(?)を得るも、慶舎兵の強さに飛信隊はボロボロになり、隊は分断されてしまいます。
「ヤバいぜ飛信隊…!」と思った瞬間、ゼノウ一家が慶舎兵を襲撃!これも桓騎の計画通りでした。
さすがの慶舎もゼノウたちの異常な武力にはなす術なく…と思いきや、紀彗軍が登場し、馬呈や劉冬も駆けつけます。
予想外の紀彗軍の活躍により、ゼノウは慶舎を取り逃がします。
桓騎に囮にされたことを悟った信は、丘の裏に逃げる慶舎を追いますが、慶舎軍に大苦戦。
さらに、飛信隊の急襲に気づいた劉冬が立ちはだかり、貂が狙われたその瞬間、絶妙なタイミングで羌瘣が帰還!
鮮やかなスヒン斬りで貂を救い、状況を察して足留めを引き受け、信たちを慶舎のもとへ急がせます。
この登場の仕方、普段なら信の役割ですよね?!
主人公並みの見開き帰還シーンに胸が震えました。
魏火龍戦でさらわれた貂を助けられなかった羌瘣が、ここで貂を助けてあの時の借りを返すあたり、最高すぎます!
信が「今まで何してた」と問いかけると、羌瘣は「寝てた」と返すところが本当に羌瘣らしい。
信に怪我を見抜かれるも、「ボロボロのお前らよりましだ」と言って腕を振り払う羌瘣に、さらに身悶えしました。
信は「今度は後ですぐに会うぞ」と言い、羌瘣は再び劉冬と戦うことに。羌瘣の回復力と劉冬との絡みは次巻でも注目したいところです。
そして久々の信!逃げる慶舎に対し、信の超絶突破力で慶舎兵を斬り倒していきます。
これには那貴も目を見張る!
キングダム44巻の感想
意外と長引いている黒羊丘戦ですが、信が見事に慶舎を討ち取り、今巻で終わると思っていました。
開戦前から一筋縄ではいかない戦になるという予感はありましたが、桓騎の容赦ない残虐プレイに、過去の対魏国・廉頗戦を思い起こし、敵ながら紀彗が白亀西のような最期を迎えないことを願うばかりです。
さて、とにもかくにも信が大武功を挙げました!
個人的には慶舎にあまり思い入れがなかったので、早く仕留めて話を進めて欲しいと思っていましたが、信に斬られる間際に慶舎の想いが少しだけ吐露されています。
死の瞬間の者の想いを目の当たりにすると、何だかちょっと泣きそうになってしまいました。
そして同じくして、羌瘣に討たれた劉冬の最期のシーン。
離眼の悲劇を共に乗り越え支えてきた城主・紀彗への強い想いが分かるからこそ、このシーンは非常に切なかったです。
しかし、仲間への想いは羌瘣も譲れません。
「侵略者じゃない、私達は…飛信隊だ」と言った羌瘣の表情が苦しそうで、読んでいて辛かったです。
羌瘣が劉冬にかけた最期の言葉は、死にゆく劉冬にとっては何の慰めにもならないことを羌瘣も分かっていて、守り子を劉冬に返したことも死の間際のほんの一瞬の安堵にしかならなかったのでしょう。
羌瘣の言葉に救われる部分はあったはずですが、劉冬は残してしまう紀彗や馬呈への想いと、秦への憎しみでただただ無念だったでしょう。
息を引き取る直前の劉冬の眼が本当に切なかったです。
それでも討ち取ったのが羌瘣であったこと、互いの覚悟を理解し合えた者同士、わずかながらに通じるものもあったのではないかと思いたいです。
信と羌瘣の戦いが同時中継だったのはすごく良かったですね。
隊長・信に大将首を取らせるために、そして隊のために、逃げる力も残せないほどの力を出し切った羌瘣。
廉頗戦の時と同じように、仲間のために無茶をする羌瘣のことを理解し、助けに戻った信に超絶萌えました!まさかの見開きサービスショットでしたね!
桓騎とのいざこざ
さて、桓騎の話です!
砂鬼一家に拷問させて紀彗の情報を引き出し、それを余すところなく利用しそうな予感がして背筋が凍りました。
嫌な予感は的中し、羌瘣を介抱してくれた混バアが桓騎軍によって無残な姿に…。
混バアだけでなく、村人全員、女子どもまでもが皆殺しにされていました。
その積み上げられた死体の山を見た羌瘣は、怒りに任せて瞬時に5人を斬り倒しました。
象姉の首を見た瞬間のトラウマがある羌瘣にとって、この仕打ちは耐え難いものでした。
怒りに燃える信と羌瘣は桓騎の元へ乗り込みますが、盗みや虐殺が日常の桓騎軍に信の美学が通じるはずもなく、案の定真っ向から対立します。
田有が見せしめに斬られそうになったところに尾平が登場。
場を収めようと奮闘するものの、桓騎兵に半ば無理やり持たされた紫水晶の高級腕飾りを落としてしまいます。
その腕飾りは混バアのものでした…。
尾平の言い分は信や羌瘣に聞き入れられず、大もめに。
尾平の気持ちは分かるし、信や羌瘣の隊への想いも理解できるからこそ、どうしようもない状況です。
すべて桓騎の描いた筋書き通りのようで、恐ろしいです。
桓騎軍へのトレード要員として尾平を選んだこと、女や酒をエサにアピールしていたこと、焼け跡の村で尾平に村人の死体を見せなかったこと、紫水晶の腕飾りを持たせたこと、すべてが計算されていたように思えます。
「ここで大人の戦いを覚えていけ」と開戦前に信に言った桓騎。青臭い信のやり方や美学に対する挑発のようにも感じます。
44巻ハイライト
結局、内輪もめしてしまった飛信隊でしたが、なんやかんやで収まるところに収まりました。
飛信隊には尾平がいないと始まりませんからね。笑
今回、隊としての方針が真っ向から違う桓騎軍と対比させることで、隊長である信の信念を仲間同士が再確認する良い機会となりました。
信は「漂と夢見た大将軍」になりたい。その夢を叶えることが信にとっての意味です。
信の想いはメンバーに伝わり、「どこの隊よりも心が潤ってる」と尾平に言われた信は、多分泣いていましたね。
信たちの持つ青臭さには、読んでいてクサいなと思うこともありますが、その青臭さに胸を熱くさせられることもあります。
中華統一に向けて戦いの規模が拡大していく今後に向けて、ここで飛信隊としての在り方を再確認する意味があったのではないかと思います。
そして、首を斬られかけた田有の傷の手当てをする羌瘣の天幕でのシーンは、44巻のハイライトシーンです。
自分の読みが甘かったせいで田有を死なせてしまうところだったと詫びる羌瘣と、羌瘣をねぎらいつつ「疲れたな」と声をかける田有。
混バアの腕飾りを握りしめて、素直に「疲れた」と吐き出す羌瘣に、飛信隊生え抜きメンバー同士の絆を感じて胸が熱くなりました。
田有は初期から羌瘣が女だと気づいていたのに黙っていてくれたメンバー。
そんな田有に心を許していた羌瘣を思うと、感慨深くて泣けてきます。
こういうシーンをサラッと入れてくれるところが、原先生のニクいところですね。
※黒羊丘の戦いは原作漫画41~45巻で読めます!
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キングダム黒羊丘の戦い桓騎の戦術を史実を基に解説!
趙(チヨウ)軍は慶舎(ケイシャ)、秦(シン)軍は桓騎(カンキ)を総大将に激戦が繰り広げられた黒羊丘(こくようきゅう)攻防戦。
結果的には、秦(シン)軍の圧倒的な勝利でした幕を下ろしましたが、桓騎(カンキ)は戦の最中にどのようなことを考えていたのでしょうか?
「戦いは必ずしも目の前の敵を倒すだけではない」ということを両軍が思い知らされる黒羊(こくよう)での桓騎(カンキ)の戦術について、詳しく解説していきたいと思います。
桓騎の敵の心理を読み切った戦術!
キングダムで黒羊丘(こくようきゅう)の戦いがあった時期の史実を解説する前に、まずは桓騎(カンキ)の戦術を解説していきたいと思います。
桓騎(カンキ)の戦術は、元野盗という経歴からくる狡猾(コウカツ)さと残忍(ザンニン)さを特徴としております。
また、敵の心理を読んだ奇策や、兵糧(ヒョウロウ)や補給を奪うことで敵を弱らせることを得意としていました。
黒羊丘(こくようきゅう)の戦いでは、秦(シン)と趙(チヨウ)の両軍が最も高い丘を取り合うとうい構図になっていましたが、実は「本当の勝ち方」を両軍の誰もが最後まで分かりませんでした。
しかし、桓騎(カンキ)だけが冷静に戦局を見極め、勝つための要件を着々と探っていたのです。
桓騎(カンキ)がこの戦いの勝つには、「丘の取り合いでは無い」ということを両軍の誰よりも早く見極めます。
桓騎(カンキ)が見出したこの戦いの勝ち筋は、「紀彗(キスイ)を戦場から離脱させる」ことでした。
紀彗(キスイ)が黒羊を離れるということは、趙(ちょう)軍の敗北を意味します。
普通に考えたら紀彗(キスイ)を戦場から離脱させることは不可能です。
しかし、桓騎(カンキ)には絶対の自信がありました。
それは、紀彗(キスイ)が離眼(リガン)の盟主になった経緯と深い関係があります。
敵兵を拷問(ゴウモン)して、紀彗(キスイ)の過去を知った瞬間、敵の心理を読む天才であり勝つためには手段を選ばない桓騎(カンキ)だけには、秦(シン)軍の勝ちがはっきり見えていました。
※桓騎(カンキ)との関係が気になる衣央(イオ)と、彼女の姉である偲央(シオ)の最後について気になる方はこちらをご覧ください。
黒羊丘の戦いは史実として本当にあったのか?
結論から言うと「黒羊丘(こくようきゅう)の戦い」は、漫画キングダムの創作のため史実には存在しません。
また、当時の地図や戦国の趙(ちょう)の領内などを調べてみましたが、「黒羊」という地名は、残念ながら中国には存在しない地名のようです。
しかし、慶舎(ケイシャ)と桓騎(カンキ)という2人の将軍は実在の人物であり、秦(シン)の趙(チヨウ)攻略において活躍しことが記録されています。
また、キングダムの黒羊丘(こくようきゅう)の戦いの元になった史実があります。
史実では、紀元前236年、秦(シン)は中華統一に本腰を入れ始めました。
趙(チヨウ)の将軍は龐煖(ホウケン)が、燕(エン)に侵略し国内が手薄になっている隙を狙い秦(シン)は趙(チヨウ)へ侵略します。
秦(シン)の総大将は王翦(オウセン)、副将は桓齮(カンキ)、末将は楊端和(ヨウタンワ)である。
まず、鄴(ギョウ)の周辺の9城を落とし、そして、全軍を1軍として閼与(アツヨ)と轑陽(リョウヨウ)を落とす。
18日後、王翦(オウセン)は兵糧(ヒョウロウ)の問題があった為、軍の10分の2の精鋭部隊を率い鄴(ギョウ)や安陽(アンヨウ)を落としました。
以上が、キングダムの黒羊丘(こくようきゅう)の戦いの元となった史実です。
創作の物語では、桓騎(カンキ)軍の特徴や強さを強調するために、戦いのフィールドを広大な平原ではなく、あえて見通しが悪い密林に設定し、いくつもの丘がある「黒羊」という架空の場所が舞台となっています。
\限定!無くなり次第終了/
まとめ
今回は、キングダム黒羊丘(こくようきゅう)の戦いについて、ネタバレと桓騎の戦術を史実を基に解説してきました。
桓騎(カンキ)の戦術は、彼の天才的な状況判断と残虐性をがあってはじめて成立します。
それゆえに、両軍の誰もが思いもよらない形で黒羊丘(こくようきゅう)の戦いの決着がついたのだと思います。
黒羊丘(こくようきゅう)の戦いで秦(シン)軍を勝利に導いた桓騎(カンキ)軍でしたが、後の宜安(ギアン)城攻略で李牧(リボク)に敗北しています。
また、桓騎(カンキ)軍の主要メンバーも壮絶な最後を迎えました。
戦国時代なので戦死は仕方がないと思いますが、悪行の限りを尽くしてきたバチが当たったと個人的に思ってしまいました。
黒羊丘(こくようきゅう)の戦いについて、ネタバレと桓騎の戦術を史実を基に解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
また、キングダムの気になる話題について、皆さんに楽しんでもらえる記事を書いていきたいと思います。